【短編小説】セピアのメンバー
ふたりが君の親友になるのに、時間はそうかからなかった。きっかけはドラマサークルでの作業だった。
ふたりは個性的で、魅力的だった。
拓太は派手な見た目とは裏腹に、他人の懐にすぐに入り込めるやつだった。入学1ヶ月にして、キャンパス内を真っ直ぐ歩けないくらい友人がいた。彼に話しかける人間は、みんなタイプが違って、色々なグループに属しているように見えた。とにかく彼を嫌う人間はひとりもいないように思えた。よく、後輩たちと蚤の市に行ったり、逆に彼らとフリーマーケットをして物を売った